2003-04年度国際開発学会東海支部 活動報告
● 運営委員・事務局(順不同、敬称略)
支部長:木村宏恒(名古屋大学大学院国際開発研究科教授)
副支部長:斎藤千宏(日本福祉大学福祉経営学部教授)
幹事:伊東早苗(名古屋大学大学院国際開発研究科助教授)
幹事:伊藤かおり(岐阜県知事公室統計調査科統計情報担当)
幹事:小林路義(鈴鹿国際大学国際学部教授)
幹事:西村美彦(名古屋大学大学院国際開発研究科教授)
幹事:余語トシヒロ(日本福祉大学福祉経営学部教授)
事務局長:野田真里(中部大学国際関係学部助教授)
会計:梅本賢一(名古屋大学大学院国際開発研究科博士後期課程)
監査:長田博(名古屋大学大学院国際開発研究科教授)
事務局スタッフ:山本勇、川岡美穂(共に名古屋大学大学院国際開発研究科博士前期課程)
● 研究活動
* 「報告」とは、本支部運営委員会の審査を経た学会員による学術発表、「講演」とは非学会員による審査を経ない講演を示す。
* (大学・団体名等)は当該研究会をホストした幹事校・団体等を示す。
○第20回研究会・合宿「フィールドワーク日本の開発経験-愛知県美浜町」(日本福祉大学)
・日程:2004年5月21日(金)~22日(土)
・場所:愛知県知多郡美浜町
・参加者:13名 *地元東海地域はもとより、東京、関西からも参加。
・ 参加費:一般1万7千円、学生1万4千円
趣旨:
近年、国際協力機構、国際協力銀行などは、日本の地域開発のなかですぐれた取組みを、今日の開発途上国に移植できないか研究を重ねている。また、開発途上国の開発支援に取り組むものにとって、日本はどのような開発経験をつんできたのかを学ぶことも大変重要である。こうした問題意識から東海支部では、毎年1回日本の開発経験を知るためのフィールドワークを行うことにしている。
21世紀は参加民主主義の時代と言われる。これまで日本では、市町村レベルでも役場と商工会議所(町村では商工会)、農協、観光協会などが密接に連携し、「株式会社日本」の地方版を運営してきた。さらに地域団体として町内会連合会があったが、これはかなり形骸化しているものの、自治体政府との連携のシステムとしては全国的に整備されてきた。
第3回目となる今回の合宿では「ガバメントからガバナンス(政府と民間企業、市民団体との協治)への移行」といわれる今日の地方自治体の変化を、愛知県知多郡美浜町で見ることによって、地方分権化が世界潮流として進んでいる途上国地方政府のガバナンスのあり方を考えてみたい。
・スケジュール:
第1日目:5月21日(金曜日)
集合
13:00-14:30 美浜町役場企画開発課職員との面談
「町おこしの総合計画」及び参加型総合政策づくりについて
「役場と商工会、農協、観光協会などとの連携について」
14:00-15:30 美浜町役場農業水産課グリーンツーリズム担当職員との面談
16:00-17:30 漁業協同組合で日本の漁業の現状を知る。
19:00-漁師さんの経営する民宿で、地魚を食べながら漁師さんらと懇親会・交流会。
第2日目:5月22日(土曜日)
10:00-農事組合「グリーンファーム(農産物直売所)」にて、役員の方と面談
13:00-株式会社「えびせんべいの里」工場見学。経営者から話を聞く。
解散
○ 第21回研究会講演会「9.11後のアフリカ-アラブ関係そしてソマリア」(名古屋大学)
講師: アリ・ジマールALI JIMALE AHMED(ニューヨーク市立大学助教授)
日時:2004年6月28日(月曜日)18:10-
会場:名古屋大学国際開発研究科8階オーディトリアム
使用言語:英語 参加費:無料
*講師紹介:
アリ・ジマール氏は比較文学を専門としつつ、幅広い視野から活躍。今回、神戸大学での「黒人文学の会」出席のため来日、国際開発学会東海支部においても講演していただくこととなった。
(主要著作)
2002 ,Fear Is a Cow , The Red Sea Press.
1996, Daybreak Is Near: Literature, Clans, and the Nation-State in Somalia ,The Red Sea Press).
ed., 1995,The Invention of Somalia, The Red Sea Press .
eds., 1995, Silence Is Not Golden: A Critical Anthology of Ethiopian Literature, The Red Sea Press.
○第22回研究会 講演会「国際協力のための技術教育と起業家育成の可能性-ニカラグアとスリランカの事例から学ぶ」(鈴鹿国際大学)
講師:アーナンダ クマーラ教授(鈴鹿国際大学)、
牛田 千鶴助教授(南山大学)
日時: 平成16年7月3日(土) 13:30~15:30
会場: 鈴鹿国際大学・第一会議室
使用言語: 日本語(英語による質問可) 参加費:無料
要旨:
途上国の持続的かつ自律的発展を可能とする人材育成の場として技術教育・職業訓練教育部門に着目し、国際機関・NGOによる教育協力が地域開発と起業家育成にもたらした成果について、スリランカとニカラグアを対象に比較検討を試みる協同研究の中間報告である。
お断り:
本研究会はあいにく国際開発学会春季大会と日程が重なったが、本研究会の開催についてはホスト校が同大会よりも先に準備をしてきた事情につき、ご理解いただきたい。
○第23回研究会 講演会「ODA50周年 ODAに見る公共政策立案における市民参加の現状と課題」(DDC-GIFU)
共催:国際開発学会東海支部、「地域主体の国際協力・岐阜」(DDC-GIFU)
講師:神田浩史(ODA改革ネットワーク)
日時:8月25日(水)19:00~20:30
場所:ぎふNPOセンター
使用言語:日本語
講演要旨
今年はニッポンのODAがスタートして50周年にあたります。不透明なプロセスや、ODA供与に伴う環境破壊、人権侵害などから、厳しい批判にさらされてきたODA政策ですが、少しずつ「開かれた公共政策」に向けての改革が行われてもきています。ODA50周年を契機に、ODAを題材に、「公共政策立案における市民参加」についていっしょに考えていきたいと思います。
○ 第24回研究会「慢性的貧困セミナー」(名古屋大学)
共催:国際開発学会東海支部、名古屋大学大学院国際開発研究科、
日時:2004年11月 5日(金)14:00-17:00
場所:名古屋大学大学院国際開発研究科 8階オーディトリアム
使用言語:英語
講演1:’Chronic Poverty: Making Development Work for the Poorest’
講師:David Hulme(IDPM at the Univ. of Manchester; Director of Chronic Poverty
Research Centre )
講演2:’The Poor and Their Money’
講師: Stuart Rutherford(IDPM at the Univ. of Manchester; Chairman of Safe Save)
司会:
伊東早苗(名古屋大学大学院国際開発研究科助教授)
○ 第25回研究会:年次総会&シンポジウム「人間安全保障と国際協力」(中部大学
・名古屋大学)
共催:国際開発学会東海支部、中部大学人間安全保障研究センター
日時: 2004年11月11日(木)18:30-21:00
会場: 名古屋大学国際開発研究科8階シンポジオン
使用言語: 日本語(英語による質問可) 参加費:無料
第1部(18:30-19:00) 年次支部総会
*支部会員の方のみご参加いただけます。
第2部(19:00-21:00) シンポジウム「人間安全保障と国際協力」
基調講演: 「人間の安全保障と平和構築」
講師:武者小路公秀(中部大学大学院国際人間学研究科特任教授
・ 同人間安全保障研究センター顧問)
パネルディスカッション:
「アフリカにおける人間安全保障」 峯陽一(中部大学国際関係学部教授
・同人間安全保障研究センター代表)
「保健と人間安全保障」 青山温子(名古屋大学大学院医学系研究科教授)
「教育と人間安全保障」 北村友人(名古屋大学大学院国際開発研究科助教授)
「総括」 木村宏恒(名古屋大学大学院国際開発研究科教授)
座長:野田真里(中部大学国際関係学部助教授・同人間安全保障センター研究員)
●その他の活動
1、 支部会員名簿の整備
学会本部の会員名簿データをベースに、支部会員の名簿を作成、適宜アップデートを行っている。なお非会員の賛同者の名簿も作成している。
2、 学会員(賛同者)への入会案内・勧誘
本支部では研究者のみならず、学生、開発実務者、市民等の幅広い参加による活動を目指しているため、非学会員でも賛同者として研究会への参加を認めている。こうした非学会員に対して正式に会員となっていただくよう常日頃から国際開発学会について理解を深めてもらいつつ、入会用紙の配布や支部長、事務局長が推薦人となる等、案内・勧誘活動を積極的に行っている。
3、 学会ニューズレターへの執筆・寄稿
学会ニューズレターに当支部の活動方針および研究会等の活動報告について寄稿した。
5、支部メーリングリストの運営
支部会員への情報提供および支部会員間相互の情報交換のために、インターネットのメーリングリスト(JASID-Tokai ML)を運営している。
6、支部ホームページの運営。
学会員はもとより広く一般に本支部の活動を知ってもらうため、支部のホームページの運営を行ってきた。引き続き、コンテンツの充実に勤めたい。